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しがまにあ

2009年07月30日

渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり

この度「しがまにあ」で記事を書かせていただく事になりました、『木下帆奈』と申します。

地元湖北を中心に
四季折々の様々な湖北の『素敵』を、めいっぱい皆様にお伝えしていきたい
と思いますので、どうぞよろしくお願いしますね!

さて、
といえば、皆様は何を思い浮かべますか?

夏休み、プールに海、盆踊りに花火大会、夏祭り…

ここ湖北でも夏のお楽しみはたくさんありますが、
その中でも
毎夏全国の仏像ファンから熱い視線を浴びているのが、

毎年8月の第1日曜日に渡岸寺観音堂(向源寺)他を主会場に開催されている、
観音の里たかつき・ふるさとまつり」です。


< 国宝 十一面観世音菩薩立像 渡岸寺観音堂(向源寺)> 
渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり


(写真提供:渡岸寺観音堂(向源寺))

全国に7躯いらっしゃる国宝の十一面観世音菩薩像の中でも
特に謎めいた美しさと魅力で、
司馬遼太郎さんや井上靖さん、白洲正子さん等の著作や対談集に登場したり、
お寺を訪れる多くの方々の心を惹きつけて止まない、渡岸寺観音堂(向源寺)の十一面観音様。

この観音様を始めとして、
「観音の里」とよばれる高月町内を中心とした湖北地域に
多く点在する
各集落におまつりされた観音様のお姿を一度に拝見することのできる、
とても貴重な夏のおまつりなんです。

今年はこの8月2日(日)に開催される
「観音の里たかつき・ふるさとまつり」、高月町内一円を会場とする大規模なおまつりなのですが、
門前市や願かけ風鈴、夜のスイカほろウィン用のスイカ彫り等、
おまつりの主会場となっているのが、
この観音様のいらっしゃる渡岸寺観音堂(向源寺)の境内です。


< 渡岸寺観音堂(向源寺)山門から見る境内と山門前の立派な松の幹> 
渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり

こちらのお寺は、今からおよそ1400年前創建と伝えられています。

その昔、
今から約1300年前の聖武天皇の時代、天平八年。
奈良の都を始め各地に疱瘡が蔓延し、相次いだ死者や人々の苦しみに
お心を痛めた時の天皇により、
加賀白山で修行をしていたひとりの高僧が、除災招福の勅命のため都へと召されました。
その高僧・泰澄がこのお寺へと立ち寄り、十一面観音を彫み
息災延命万民豊楽の祈祷をこらし、憂いを絶ったのだそうです。

以来病除けの霊験あらたかな観音像として信仰され、
桓武天皇の時代・延暦九年には、入唐前の最澄が、勅命により
七堂伽藍を建立して多数の仏像を安置し、輪奐(りんかん)の美を極めたのだとか。

渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり

 
県の指定文化財である仁王様に迎えられながら
山門をくぐると、いよいよその境内です。
 
 
 
 
 
こちらが、その境内。
緑がとても鮮やかで、蝉の鳴き声も聞こえます。
境内の独特に厳かな雰囲気とも相俟って、癒し効果絶大!
日頃の疲れも心も、しみじみと洗われてしまいます。
渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり


そんな森閑とした境内が、
おまつりの日には、こんな大にぎわいに!
渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり

(写真提供:高月町役場地域振興課・商工観光室)

地元や地域の方々だけでなく、
全国から仏像ファンが、この日を心待ちにして訪れられるそうです。

このブログを見て下さっている方の中にも、
行ったことあるよ!とか、今年も行くよ!っていう方がいらっしゃるかもしれませんね♪


そして、本堂。
こちらでは、県の指定文化財の阿弥陀如来様にお目にかかれます。
渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり

この本堂むかって左手が、
いよいよ国宝・十一面観音様のいらっしゃる観音堂です。


先ずは、受付にて拝観料を。
ゆったりとしたスロープの先に、
数年前に再建されたばかりという、真新しい立派な観音堂が建っていました。
渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり
因みにこちらの受付では、
他にも十一面観音様にまつわる書籍等や、湖北の観音様マップも販売されていて、
おススメです♪


そして、念願の十一面観音様のお姿が…!
渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり

(写真提供:渡岸寺観音堂(向源寺))

優雅にゆったりとしたお姿のこちらの十一面観音様には、
日本美術史上の謎とも言われる
全国にある他の国宝十一面観音様方には見られない独特の魅力となる特徴が、
大きく分けて3つあるそうです。
また戦国の時代には、姉川の合戦の戦火の中で寺院伽藍が灰燼に帰す中、
村人達によって地中に埋められて難を逃れた、そんな大変な歴史もあったのだとか。

座ってお姿を拝せるきれいな椅子も用意された観音堂の中では、
テープによる解説の他にも、
交代で堂内をお世話していらっしゃる地元の案内の方から、そんなとっておきの
お話も聞かせていただけます。
時にはお寺のご住職さま自身から、その貴重な体験談等も交えて
お話をうかがえることもあるそうですよ。


また
こちらの観音堂は特殊な設計になっており、
なんと観音様の後ろのお姿までが、拝見できるんです…!

これは、
向源寺さんがこの観音堂を「飛び地伽藍」におまつりしている
真宗大谷派のお寺であるからこそ出来る、特別なはからいなのだとか。
おかげで「暴悪大笑面」という
普段は絶対に見られない、観音様の頭の後ろについているお顔を
拝見できたのですから、本当に幸せです!


他にも堂内には、
国の重要文化財の大日如来(胎蔵界)様に、
小さなお厨子の中にいらっしゃる、県指定文化財の十一面観世音菩薩様がいらっしゃいます。

それぞれ素晴しいお姿に、
うっとりと、思わず時間の経つのも忘れてしまいそうですよね。


渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり
至福の時間を堪能し終え、再び境内に歩を戻すと
そこには深緑の中、
噴水の水音を静かに響かせる池の庭園と、池中の小島に佇むお地蔵様のお姿が。

更には
山門へと戻る境内の小道、お地蔵様のお向かいには、
かつての戦乱の日に村人達によって観音様が地中に埋められたのだという、
その避難の埋伏地に、記念碑が置かれていました。
渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり

こちらが、その「埋伏地」。
赤い前掛けをした小さなお地蔵様達のお姿に、
400年以上の昔から変わらぬ土地の人々の、敬虔な願いというか深い想いを感じます。

渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり
山門を出て境内東側の無料駐車場へと向かう道すがらには、
風情のあるお土産物屋さんや
この湖北地域で「野神さん」と呼び習わし信仰されている巨樹の姿も見られました。

このお土産物屋さんの前の通りも
おまつり当日は、きっとものすごいにぎわいなるのでしょうね!
とても楽しみです♪ ←行く気満々!(笑)


あなたも、この夏の8月最初の日曜日。
猛暑の街中を避け、
このなつかしい、ふるさとを思わせるたたずまいな里山と集落たちが織り成す
湖北の自然の中で。

人々の祈りを守り、人々の祈りに守られてきた
数々の仏様や観音様たちに、ふらりと逢いに来てみませんか…?


渡岸寺観音堂(向源寺)と観音の里たかつき・ふるさとまつり
その時におススメなのが、
渡岸寺観音堂(向源寺)の受付や他でも購入できます、
湖北の観音様マップ「奥びわ湖観音路」。

なんと1部100円(税抜)です!

湖北の観音巡り必携!!
(本当に便利で、情報が濃密です。)
思わず
保存用と見る用(笑)に2部買ってしまった、
超おススメのマップです。
 
 
 
 
(情報は2009年7月現在。詳しくはお問い合わせ下さい。)


**********************************
■名   称  渡岸寺観音堂(向源寺)
□住   所  滋賀県伊香郡高月町渡岸寺50
■拝観時間  9:00~16:00
□電話  0749-85-2632
■拝観料 300円 (団体割引30名以上240円)
□年中無休
■駐車場 有り(無料)
地図はこちら
■アクセス■
お車の場合
北陸自動車道木之本ICから約10分
北陸自動車道長浜ICから約20分
電車の場合
JR北陸本線高月駅から徒歩で約5分
**********************************





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Posted by しがまにあスタッフ at 20:00 │伊香郡
この記事へのコメント
渡岸寺出身のものです。
素敵な写真をご紹介頂きありがとうございます。
本当に素晴しい観音様です。
是非多くの皆さんにお参りいただきたいと思います。
お祭りの境内の写真に偶然母を見つけました。
数珠を手にいつも観音さんへ出かけた母。
私も見習いたいと思います。。。
ありがとうございました。
Posted by うめ at 2009年07月31日 23:02
コメントありがとうございました。
素敵なおかあさまですね。
渡岸寺観音堂(向源寺)の観音様は、観音様自体もとても素晴しいですが、その観音様を慕いお世話をなさる地元の方々の想いの深さ等もとても素敵で、ここの観音様の魅力のひとつになっているように思えます。
こちらこそ、ありがとうございました。
Posted by スタッフ:木下帆奈 at 2009年08月02日 11:06
山門の通りに松があるのが不思議ですね。
(通常こんな場所には植えないし、かと言って写真を見る限り石畳が真っ直ぐなので、山門が少し動かした感じにも見えないし不思議です)
先日古本を見ていたら、寺の山門も城跡から移設させた所もあるみたいだし、どんな感じか見たいと思います。
ブックマークしましたので、来年忘れなければ見たいと思います。
滋賀も京都・奈良につづき3番目に文化財が多い県らしいので、ちょっとづつ色々見たいと思います。
いい情報どうも有難うございます。
Posted by 滋賀作 at 2009年08月05日 01:29
コメント及びブックマークありがとうございました。
そうなんです、実は滋賀県って文化財が本当に多い県なんですよね!
ふるさとまつりは年に一度のおまつりですが、こちら渡岸寺観音堂(向源寺)の観音様には一年を通していつでもお目にかかれますので、来年といわず是非一度訪れてみて下さいね。
他のお寺さまでも、当番の方が交代で詰めておられたり、またお堂の前に電話があって、それに掛けると当番の方が来て下さって観音様にお目にかかれたりするところもあり、とてものんびりと心温まる体験が出来ます。
特にこれからの季節、秋の紅葉の頃などは最高におススメです。
もちろん、酷暑の都市部を離れて湖北に避暑がてら…っていうのも、おススメです♪
こちらこそ、有難うございました。
Posted by スタッフ:木下帆奈 at 2009年08月06日 09:28
はじめまして、木下帆奈さん。
いいお名前ですね♪
なんて読むのかな??

今、観音の里資料館で、特別展をおこなっています。
紹介記事、楽しみにしています♪
Posted by 観音丸♪ at 2009年10月25日 01:35
私は夫と毎年3月初旬に渡岸寺を訪れます。
伊吹山の冠雪が見られるのが楽しみです。
観音さまを拝んだ後、車で10分ほどでしょうか?須賀谷温泉に行き、温泉を楽しんだ後、鴨鍋を頂きます。(予約しておきます)
お部屋を借りて3時間ほどゆっくりします。
ほんとにゆっくりできておいしい一日過ごせます。
帰りは道の駅でその地の野菜や御漬物など買います。
大津市に住んでいますがゆっくり楽しめる日帰り旅行ができますよ。
お勧めです!
Posted by 中村 at 2009年10月25日 21:25
はじめまして、コメントありがとうございました。
ありがとうございます、「木下帆奈」は「こげぱんな」と訓みます。
「観音丸♪」さんというのもステキなお名前ですね!
観音の里資料館、渡岸寺観音堂さんへの駐車場前にある資料館ですよね、どんな特別展なんでしょう、わくわくします!
機会を見つけてぜひご紹介させていただきたい素敵な資料館さんなので、またちょくちょく紹介記事がアップされてないか、良かったら見に来て下さいね♪(笑)
Posted by スタッフ:木下帆奈 at 2009年10月26日 20:04
中村さま、コメントありがとうございました。
そして素敵な日帰り旅行のプランをお教えいただきまして、ありがとうございます!
まだ冬の面影が残る初春の湖北ドライブに観音様、そして温泉に鴨鍋に道の駅…かなり幸せ度の高い1日ですね!
身の心も、ついでにおなかも癒されそうです。大津近辺からだと、ゆっくり無理なくプチ旅行気分を楽しむには、確かに湖北はうってつけだと思います。
そうそう、冠雪の伊吹山も富士山と見まごう(?)かのようなすばらしさですが、これからの季節、紅葉の湖北の山々もすばらしいものがあります。良かったら、この秋もイベント満載な、またいつもと違う季節の湖北も楽しみにいらして下さいね♪
ありがとうございました。
Posted by スタッフ:木下帆奈 at 2009年10月26日 20:16

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