2008年09月11日
万葉の森船岡山
昼の日差しは強くても、朝夕の虫たちの声に季節の移ろいを感じるようになりました。
ふと周囲を見渡すと、道ばたに、庭に涼やかな秋の花々が顔をのぞかせています。
秋の花といえば、歌にも良く詠まれるのが「萩」。
その名所として知られる東近江の「万葉の森船岡山」へ行ってきました。

9月21日(日)には恒例の「蒲生野万葉まつり」も開催予定。
短歌会の表彰式も行われ、その歴代入賞者の歌が園内の石碑にも刻まれています。


船岡山を中心とする蒲生の一帯は、古代朝廷の遊猟の地だった場所。
万葉集のなかでもとくに有名な額田王と大海人皇子(のちの天武天皇)が
交わした恋歌の舞台ともいわれています。


船岡山の山頂に設けられた「万葉歌碑」はその歌を刻んだもの。
「茜さす 紫野行き標野行き 野守りは見ずや 君が袖ふる」 額田王
「紫草の にほへる妹を憎くあらば 人妻故に われ恋ひめやも」 大海人皇子
人目をはばからず袖を振ってみせる皇子をとがめる額田王と
それにもかかわらず大胆に恋情を歌い上げる大海人皇子。
山頂から蒲生野一帯を見下ろしながら
ここで交わされたロマンスに、しばし思いを馳せてみるのも一興です。


尾根伝いの散策路を行くと展望台もありました。
あいにく桜の木々が生い茂り、見晴らすことはできませんでしたが
テーブルには周辺エリアの史跡などが刻まれていました。
緑のなか、山頂やふもとにむかっていくつもの小路が作られ、
いたるところに萩がけむるように咲いています。



そして、下に見下ろすのは「万葉植物園」。
池のふちにも萩が植えられ、池には最後の蓮が残っていました。


遊猟のようすを巨大な陶板に描いた「蒲生野遊猟レリーフ」。

万葉植物園では、その名の通り万葉集に詠まれた植物を、歌碑とあわせて紹介されています。

たとえば萩なら笠朝臣金村の歌
「草枕 旅行く人も行き触れば にほひぬべくも咲ける萩かも」


こちらの木は「まゆみ」。


「みこも刈る 信濃の眞弓わが引かば 貴人さびて 否と言はむかも」 久米禅師
歌のなかに出てくる草花や木を間近に見ると、詠み人の思いや歌の情景を新たに感じられるかのよう。
初めて実物を目にするものもたくさんありました。



右から、かつら、ゆずりは、ひし。



くくみら(茎韮)、あは(粟)、ねつこぐさ(根都古草)。



ぬばたま、やますげ(山菅)、すすき。



つきくさ、きび、をみなえし(女郎花)。
一つひとつ歌をよみ進めながら園内をめぐれば、秋風も心地よく
ゆったりとした時間が流れます。


近江鉄道「市辺駅」下車、徒歩約3分。阿賀神社境内からも万葉植物園へ入ることがでます。
秋のひととき、いにしえ人のこころに触れに出かけませんか。
「蒲生野万葉まつり」 と き:9月21日(日) 10:00~15:00
ところ:万葉の森 船岡山(雨天時は船岡中学校体育館)
内 容:○蒲生野短歌会表彰式
○万葉集朗詠会
○万葉コンサート
○蒲生野万葉コーナー
(古代米を使った料理・うどん・郷土物産の展示即売)
○万葉茶会(1席200円)
※情報は2008年9月現在。詳しくは直接お問い合わせください。
*************************************
万葉の森船岡山
★住所 東近江市野口町・糠塚町
★電話 東近江市市観光協会 0748-48-2100
★料金 入場無料
★地図 地図はこちら
ふと周囲を見渡すと、道ばたに、庭に涼やかな秋の花々が顔をのぞかせています。
秋の花といえば、歌にも良く詠まれるのが「萩」。
その名所として知られる東近江の「万葉の森船岡山」へ行ってきました。

9月21日(日)には恒例の「蒲生野万葉まつり」も開催予定。
短歌会の表彰式も行われ、その歴代入賞者の歌が園内の石碑にも刻まれています。


船岡山を中心とする蒲生の一帯は、古代朝廷の遊猟の地だった場所。
万葉集のなかでもとくに有名な額田王と大海人皇子(のちの天武天皇)が
交わした恋歌の舞台ともいわれています。

船岡山の山頂に設けられた「万葉歌碑」はその歌を刻んだもの。
「茜さす 紫野行き標野行き 野守りは見ずや 君が袖ふる」 額田王
「紫草の にほへる妹を憎くあらば 人妻故に われ恋ひめやも」 大海人皇子
人目をはばからず袖を振ってみせる皇子をとがめる額田王と
それにもかかわらず大胆に恋情を歌い上げる大海人皇子。
山頂から蒲生野一帯を見下ろしながら
ここで交わされたロマンスに、しばし思いを馳せてみるのも一興です。


尾根伝いの散策路を行くと展望台もありました。
あいにく桜の木々が生い茂り、見晴らすことはできませんでしたが
テーブルには周辺エリアの史跡などが刻まれていました。
緑のなか、山頂やふもとにむかっていくつもの小路が作られ、
いたるところに萩がけむるように咲いています。



そして、下に見下ろすのは「万葉植物園」。
池のふちにも萩が植えられ、池には最後の蓮が残っていました。


遊猟のようすを巨大な陶板に描いた「蒲生野遊猟レリーフ」。

万葉植物園では、その名の通り万葉集に詠まれた植物を、歌碑とあわせて紹介されています。

たとえば萩なら笠朝臣金村の歌
「草枕 旅行く人も行き触れば にほひぬべくも咲ける萩かも」


こちらの木は「まゆみ」。


「みこも刈る 信濃の眞弓わが引かば 貴人さびて 否と言はむかも」 久米禅師
歌のなかに出てくる草花や木を間近に見ると、詠み人の思いや歌の情景を新たに感じられるかのよう。
初めて実物を目にするものもたくさんありました。



右から、かつら、ゆずりは、ひし。



くくみら(茎韮)、あは(粟)、ねつこぐさ(根都古草)。



ぬばたま、やますげ(山菅)、すすき。



つきくさ、きび、をみなえし(女郎花)。
一つひとつ歌をよみ進めながら園内をめぐれば、秋風も心地よく
ゆったりとした時間が流れます。


近江鉄道「市辺駅」下車、徒歩約3分。阿賀神社境内からも万葉植物園へ入ることがでます。
秋のひととき、いにしえ人のこころに触れに出かけませんか。
「蒲生野万葉まつり」 と き:9月21日(日) 10:00~15:00
ところ:万葉の森 船岡山(雨天時は船岡中学校体育館)
内 容:○蒲生野短歌会表彰式
○万葉集朗詠会
○万葉コンサート
○蒲生野万葉コーナー
(古代米を使った料理・うどん・郷土物産の展示即売)
○万葉茶会(1席200円)
※情報は2008年9月現在。詳しくは直接お問い合わせください。
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万葉の森船岡山
★住所 東近江市野口町・糠塚町
★電話 東近江市市観光協会 0748-48-2100
★料金 入場無料
★地図 地図はこちら
Posted by しがまにあスタッフ at 20:00
│東近江