近江日野商人館
板塀の家々に、紅ガラの格子戸。
趣ある街並みが残る日野町大窪、村井のあたり。
近江商人のなかでも、戦国武将・蒲生氏郷の城下町を基盤に
全国へ勢力を広げていった日野商人のまちです。
そんな先人たちの業績を伝えるのが
「近江日野商人館」。
江戸中期から300年続く日野商人・山中家から寄進された邸宅で、
文化庁の登録有形文化財。
質素倹約を信条にした近江商人らしく
華美ではないものの、広々と落ち着いた佇まいがあります。
2階の窓から庭をのぞむ
座敷に飾られていた氏郷の肖像
敷地内には大きな蔵や荷車も残っていました
玄関を入ると、昔のままに帳場が残され
5月に行われる日野祭の曳山模型も飾られています。
なぜこんなところに擬宝珠(ぎぼし)が!? と思ったら
これは瀬田の唐橋のものと書いてありました。
江戸のころ、日野商人・中井正治衛門が、傷みの激しい瀬田の唐橋を見て
三千両(いまの約3億円!!)を出し、橋を架け替えたんだとか。
近江商人のモットーである「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」
のシンボルといえるでしょうか。
ただ、橋を丸々架け替えるなんて・・・スケールがスゴイっ!!
利益と道徳を天秤でかついで・・・
館内には、日野商人たちが行商に使った道中笠や道中合羽、天秤棒はもちろん
長旅用にコンパクトに改良された道具類も並びます。
これが本当によく出来てる!!
なかには、いまで言うところの「ガイドブック」や
商人たちが道々書き付けた「旅日記」などもあり
当時の風俗を知る意味でもとても貴重な資料。
日野商人の主力商品「薬」や「日野椀」も展示
展示されている家訓には、「確かな品物を扱って高利を望むな」
「役職の威光を外には用いるな」「小さいお得意様ほど大切にせよ」
「分以上の商売は一切やるな」など、一々肝に命じたくなる言葉ばかり・・・。
先人たちの知恵と見識には頭が下がる思いです。
同館のほか、まちを散策するならまずは観光協会へ。
ここは日野商人を一躍発展に導いた合薬「万病感応丸」の創始者
正野法眼玄三を祖にもつ旧正野薬店。
現在は日野観光協会の事務所になっていて、
観光ガイドの配布や資料の展示、喫茶スペースなどもあります。
特産の日野菜漬
秋には、日野のまちをめぐるイベントが目白押し。
この機会に、日程をチェックしてぜひ出かけてみてください。
日野小学校前にある商人像
■近江日野商人館
入館料:大人300円・小中学生120円
■日野町 秋のイベント
◇日野町見どころ すたんぷらりぃ
期間:10月8日(日)~11月30日(木)
◇これ何?ウォーク
日時:10月21日(土)午前9時~
※申し込み締め切り10月18日、近江日野商人館
◇秋の桟敷窓アート
期間:10月21日(土)・22日(日)
会場:日野町村井・大窪周辺
詳しくは
日野観光協会(電話0748-52-6577)またはHP
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近江日野商人館(日野町立歴史民俗資料館)
★住所 蒲生郡日野町大窪1011
★電話 0748-52-0007
★開館 9:00~16:00
★休館 月・金曜
★HP
http://www.town.hino.shiga.jp/hino-s/index.html
★地図
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