彦根400年祭に引き続き、今年、注目のイベント
源氏物語千年紀が各地でいよいよスタートしています。
滋賀では
「源氏物語千年紀in湖都大津」と題して
今年いっぱいさまざまな催しが企画されています。
なかでも見逃せないのが物語着想の地といわれる
石山寺。
山内一帯では特別展のほか、地元観光協会が中心に開催する
特別展
「源氏夢回廊」(3/18~12/14)が話題を呼んでいます。
『源氏物語』といえば日本が世界に誇る長篇小説の一大金字塔。
作者である
紫式部は、新しい物語を作るため
この石山寺に七日間の参籠したといわれ、
ここで構想を練ったと伝えられています。
物語の執筆時期については諸説ありますが、1008年に物語が成立した
ともされることから本年各地で「千年紀」が行われています。
瀬田川に面した東大門をくぐると、いました!
おおつ光くん。
むちむちほっぺがかわいいイメージキャラクターです。
参道を進むと「源氏夢回廊」の入口が。
石山寺への
入山料は500円、山内の
宝浄殿拝観は200円、
源氏夢回廊は600円(いずれも大人・当日料金)。
3つがセットになった
共通券なら1000円とお得!
特別企画の回廊はあとにとっておくとして、先に本堂へお参りしてきましょう。
切り立った岩の上に立つ堂宇。
「石山」という名はここから来ていて
境内には奇岩もたくさんあり、天然記念物に指定されています。
石段を上がると、さらに上に見えるのは
国宝の「多宝塔」。
写真は左から観音堂、毘沙門堂、御影堂。
蓮如堂には源氏五十四帳を描いた
「源氏物語図屏風」(江戸期・レプリカ)が飾られていました。
蓮如堂からすぐ上に見えるのが
国宝の本堂。舞台造りの荘厳な雰囲気です。
平安貴族たちもたびたびここへ参詣したと、記録に残っています。
本堂に向かって右にあるのが、紫式部が物語を執筆したという
「源氏の間」。
式部が使ったと伝わる硯も同寺には残っているのだそうです。
本堂でお参りしたあと、鐘楼の脇を抜けると再び見えてくる多宝塔。
塔の横にある
「めかくし石」は平安朝時代から伝わるものといわれていて
めかくししたまま完全に石を抱くことができれば諸願が成就するのだとか。
紫式部も試してみたでしょうかね?
瀬田川を一望する「月見亭」。梅もまだまだ花を見せていました。
こちらは豊浄殿。ここで6月10日(火)まで開かれているのが
「石山寺と紫式部展 吉岡幸雄による源氏物語の色」。
古くから源氏物語ゆかりの地として知られてきた石山寺には
平安、鎌倉、江戸時代を通して美術・文学作品を寄贈する人々も多く
たくさんの貴重な収蔵品が保管されています。
源氏物語屏風や源氏絵、紫式部像などの寺宝とともに
染織家・吉岡幸雄氏の手によって甦った源氏物語の衣裳の色、
十二単に用いられた
「襲の色目」を見ることができます。
物語を読んで、うっとりと想像するばかりだった衣裳の色が目の前に!
豊浄殿を出て坂道を下ると、
源氏苑と呼ばれる花園に抜けます。
いまは可憐な水仙の花盛り。山手には早咲きのサクラもちらほら。
山をつづらに下っていくと、木々の合間から幻想的な庭園が見えてきました。
「無憂園」は、初夏ともなると菖蒲が美しいことで知られる場所。
(菖蒲写真提供:びわこビジターズビューロー)
山を下りきり、見上げれば木立の先に本堂の灯。
広い山内をまわるなら、たっぷり時間をとって出かけたいところですね。
さて、お楽しみの
「源氏夢回廊」入口まで戻ってきました。
最初の
「世尊院」で現在開かれているのは
日本刺繍による「源氏物語展」(3/18~4/14・5/16~5/30)。
細かな刺繍で描かれた絵巻は圧巻!
「明王院」では
「田辺聖子源氏物語文学館」を展開(12/14まで)。
田辺先生といえば現代日本語版の「新源氏物語」やさまざまエッセイで
源氏物語をぐっと身近なものにした第一人者。
源氏ファンには、先生の作品を入口にした人も多いのでは?
さらに先生の執筆原稿やプライベート写真の展示もあり
NHKドラマ
『芋たこなんきん』のファンなら垂涎ものかも。
映画『千年の恋 ひかる源氏物語』の衣裳も展示されています。
また
「密蔵院」では少し視点を変え、若手クリエーターの作品が登場。
「未来千年館」と名付けられた館内には、
大津在住の
ロボットクリエーター高橋智孝さんの作品ほかも展示され
寺の荘厳な雰囲気のなか、不思議な空間をつくりだしていました。
もちろん、お土産コーナーもあり。オリジナルグッズも要チェックです。
また、取材時は雨だったため、残念ながら開いていませんでしたが
晴れた日には公風園白耳亭にて叶匠寿庵による
「カフェドゲンジ」がオープン。
記念菓子・石山源氏とお抹茶のセットは735円、
お抹茶お菓子付525円、和三盆ロールセット1050円など。
向かいの拾翠園ではお土産・休憩所もあり
その奥の淳浄館では
「紫式部 恋歌つづり展」も開催中(入場無料)。
まもなく迎えるサクラの季節に続き、つつじ、木蓮、藤、山吹、
牡丹から菖蒲、紫陽花と一年を通して花の耐えない石山寺。
(写真提供:びわこビジターズビューロー)
近くには名物
瀬田シジミを食べられるお店や茶店が軒を連ね
先日ご紹介した
「喫茶去」さんでは源氏物語にちなんだメニューが登場予定とか。
散策のその足でぜひ出かけてみてください。
源氏物語千年紀 in 湖都大津 石山寺会場期間:3月18日(火)~12月14日(日)
■各種イベントスケジュールは
こちら
<入場料・会場時間>
■大本山石山寺
大人500円・中高生500円・小学生250円
午前8時~午後4時30分(入山は午後4時まで)
■源氏夢回廊
大人600円・中高生500円・小学生300円
午前9時~午後4時30分(入場は午後4時まで)
■石山寺豊浄殿 拝観料
大人200円・中高生200円・小学生100円
午前10時~午後4時(入場は午後3時30分まで)
■千年紀セット券(上記3つセット)
大人1000円・中高生850円・小学生500円
※情報は2008年3月現在。詳しくは直接お問い合わせください。
※館内展示の写真については、許可をいただいて撮影したものです。
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大本山 石山寺
★住所 大津市石山寺1丁目1-1
★電話 077-537-0013
★拝観 8:00~16:30(入山は16:00まで)
★HP
http://www.ishiyamadera.or.jp/ishiyamadera/flower.html
★地図
地図はこちら
「源氏夢回廊」事務局
★住所 大津市石山寺3丁目2-28 (社)石山観光協会内
★電話 077-537-1105
★HP
http://www.ishiyamadera.or.jp/yume_kairou.html
源氏物語千年紀 in湖都大津
★HP
http://www.otsucci.or.jp/genji/index.html