兵主大社

しがまにあスタッフ

2007年12月27日 20:00

年の瀬も押し迫ってまいりましたね。スタッフのふみさーです。
今年最後となります「しがまにあ」がお届けするのは初詣の情報。

毎年、県内屈指の人出でにぎわう野洲市の兵主大社(ひょうずたいしゃ)です。
秋の紅葉ライトアップでもすっかりおなじみですよね。



1月1日から3日は初詣客が多く訪れ、各種ご祈祷の受付や
破魔矢の授与甘酒の無料接待書き初めなどが行われます。

また、1月10日には初えびすも開かれ
12月30日から1月10日までの夕刻は参道に約400灯の提灯が点灯
幻想的な雰囲気のなかお参りに訪れる人々が行き交います。



旧中主町のほぼ中央にある兵主大社。
創建はなんと、奈良時代のはじめという県内でも有数の古社です。

3世紀後半ごろ、大津遷都にともなって大津市の穴太に社地が設けられましたが
欽明天皇の時代に琵琶湖を渡って現在地にうつされ、社殿が造営されたのだとか。

「兵主」を「つわものぬし」とも読むことから、中世には武士の崇敬を集め、
近江源氏はもちろん鎌倉時代には源頼朝が神宝を寄進し、
室町のころには足利尊氏が社殿を造営したほか、
江戸時代には徳川将軍家の保護が厚かったといわれています。

そのため、重要文化財をはじめ社宝も数多く、学術研究者のために
収蔵庫も開放されています(要予約・拝観200円)。



なかでも境内の入り口にある朱塗りの楼門は、足利尊氏の寄進と伝わるもの。
あいにく取材の折には修復中でしたが、年末にはお目見えする予定です。


楼門写真:びわこビジターズビューロー提供


いまは静かな参道も、年末年始には提灯が掲げられ多くの人でにぎわいます。



まずはお参りの前に身を清めましょう。



手水に鎮座するのは。竜などのモチーフが多いなか、珍しいな、と思ったら
亀と鹿がここの神社のお使いなんだとか。



拝殿は天保13年(1842年)建立。その奥の本殿は江戸前期の建立で市指定建造物。
御祭神は八千矛神(大国主神)。



拝殿は中央の一棟と左右の翼楼二棟とが組み合った大型の建物で
県内では珍しい型といわれています。

現在は埋まっていますが、平安時代末期には拝殿翼楼の正面に建物と並行して
水路が流れ、橋がかけられて石敷きの参道が楼門まで続いていたといいます。


拝殿前の狛犬。なにやら白い布でぐるぐる巻きになっています。。。



これは病気や怪我の平癒を祈願するもので、白い布に名前等を書いて
狛犬に巻きつけるとご利益があるのだとか。初穂料は300円。



また、兵主大社といえば国指定の名勝である庭園の美しさでも有名なところ。



“頼朝の庭”と呼ばれ、以前は鎌倉時代のものと考えられていましたが
平成3年から10年かけて行われた大改修の際、平安後期の遺構が見つかり
池汀の曲線などがそのころのようすを伝えていることがわかりました。

「神社がこの地に移ってくる前から庭があった」とは伝えられていたそうですが
それが事実であることが証明されたわけです。




庭は大規模な池泉廻遊式庭園で、池に中之島を浮かべて出島をつくり、
護岸や築山の石組みなど深い趣があります。
また小道の両脇は青々と苔むし、鳥たちのさえずりが響くなか
しっとりとした美しさが漂います。



庭園の拝観料は300円(学生200円)。



拝殿の横には休憩所が設けられ、ここでお守りなどが授与されます。



ここで発見! 「兵主せんべい」600円。
お使いの鹿と亀が描かれた特製です。お参りのお土産におすすめです。




2月~3月には梅に椿、
5月~6月は新緑や苔が美しさを増し、あやめの美しさもまた格別。
そして秋の紅葉は遠方から足を運ぶ人も多く、
落ち着いた風情は地元の、そして滋賀の誇りといえる荘厳さ。

初詣の機会にぜひ近江の歴史に触れてみませんか?




兵主大社
参拝   :無料
庭園入場 :300円(学生200円)
収蔵庫拝観:200円(要予約)



※情報は2007年12月現在。詳しくは直接お問い合わせください。

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兵主大社(ひょうずたいしゃ)
★住所   野洲市五条566
★電話   077―589―2072
★参拝時間 9:00~17:00
★地図   地図はこちら


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