大津のまちといえば、古くは「港町」として栄えたところ。
「大津百町」と呼ばれ、おおいににぎわいました。
みなとまち繁栄の歴史を伝えるのが、浜大津界隈にいまも残る町家たち。
その建物を守ろうと活動を続けている「大津の町家を考える会」の
拠点になっているのが
「大津百町館」です。
場所は浜大津、「なかまち」と呼ばれ親しまれる商店街のなか。
大津青年会議所の横が入口です。
入館は無料。ボランティアで運営されています。
なかへ入ると、「町家まちなか美術館」と題して
古い大津の暮らしを写し出した写真のほか、大津のまちの模型などが展示されています。
大津エリアの観光マップやイベント情報なども、ここで手に入ります。
商店街に面した土間を抜けると、暖簾のかかった玄関が。
ここを入ると、まるでタイムスリップしたかのよう。
表からはわかりませんでしたが、かなり古い町家なんです。
高い天井に太い梁、薄暗い台所土間に明かりとりの窓から陽が差し込みます。
築百年以上で、明治32年(1900年)の図面が残っていました。
台所もほぼ昔のまま。
よく見ると井戸が残っています。
ポンプも備え付けられていますが、つるべも健在!
せっかくなので水汲みを体験させていただきました。
つるべは私も初体験です。
これがまた意外と重い!
昔はこれでお風呂いっぱいの水もくんだんですから、重労働です。
井戸水は一年通して温度が保たれ、冬あたたかく、夏冷たい。
台所には「おくどさん」も残っていました。その上には布袋さんも並んでいます。
玄関土間を入ると、奥は大広間。
京間よりも少し小さい畳を使った「大津間」という規格なんだそうです。
広間の奥には坪庭があり、その向こうに離れが見えます。
こちらは離れから広間を見たところ。
昨年は広間を客席に、離れを舞台にして能管&横笛コンサートも開かれたそう。
今年も秋には全館を使った写真展や、
「萬塾」と題した催しが次々に企画されるそうです。
近いところでは6月に落語の公演もあるとか。
大広間や離れは貸し会場として利用でき、
収益金などでこれからも修復・保全が続けられていくそう。
貴重なまちの財産であり、歴史の語り部であるこの町家。
ぜひ一度、古き良き暮らしを体感してみてください。
※情報は2010年4月現在。詳しくは直接お問い合わせください。
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大津百町館
大津の町家を考える会・(財)大津歴史的建造物保存会
★住所 大津市中央1丁目8-13
★電話 077‐527‐3636
★開館 10:00~17:00
★休館 不定休
★HP
http://hyakucyou.s11.xrea.com/
★地図
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