近世湖上交通の要: 北淡海・丸子船の館と大浦ふるさと資料館

しがまにあスタッフ

2009年08月27日 20:00

一部の学校では既に始業式をむかえ、
急に朝夕めっきり秋めいてきました8月最後の週末前ですね。

みなさんは、この8月ラストの週末、どんな計画を立てていますか?

8月最後のバーベキュー?それとも花火?
ひょっとすると
ゆく夏を惜しんで、この夏ラスト琵琶湖1周ドライブを!
…なんて方もいらっしゃるかもしれませんね♪

今日は、
そんな琵琶湖1周ドライブの、お楽しみのひとつ付け加えるにもってこいな、
琵琶湖最北端にある資料館をご紹介しますね。



それが、
この琵琶湖の水上輸送の歴史を振り返ることができる「北淡海・丸子船の館」です。

< 北淡海・丸子船の館 >


昔、
まだ電車や車などの陸上輸送が発達していなかった時代。
特に江戸時代を中心に隆盛した、
琵琶湖の水上輸送の主役を担っていた「丸子船」の実物を見ることができるんですよ!
 

 
正面玄関を入って向かって左手側の
ガラス張りの棟が、その展示スペースになっています。


建物の中いっぱいの、この迫力!

館に入る前に外から予想していたよりも、
ずっと大きいです。

復元やレプリカ等ではなく、
実際に使用されていた、本物の丸子船なのだそうです。
 
 

いくつもの船の修繕跡も生々しく、
まさに往時の琵琶湖水上交通の、歴戦の雄姿を見る思い駆られます。


 
碇に、船の舳先。
なんだか、実際に琵琶湖の上を何度も航行したであろう年代の重みを感じますね。

他にも、航行に必要だった様々な道具が展示されていました。


羅針盤に、晴雨計。
それから、船上ランプや様々な品の数々…。

…ちょっと、
レトロな骨董ロマンを感じてしまいませんか?(笑)
 
 

丸子船は、いわゆる「和船」と呼ばれる船に分類されるそうです。
その中でも最大の特徴は、
大木を2つに割って作られた「おも木」を取り付けているという点なのだとか。
これは、丸子船が大量の物資を輸送するために取り付けられた工夫なのだそうです。

どの部分がその「おも木」なのか…みなさんにはわかりますか?

そんな大量の物資がこの琵琶湖の北から南を行き来し、京の都をはじめとする
京阪神方面へと運ばれただなんて、一体どんな荷物が誰の元へと運ばれたのでしょうか。
確かに、ちょっとロマンを感じます♪ 
 

そんな往時の船内の様子が、なんと人形で再現されていました!

意外にリアルで、ちょっとびっくりするほどです。
なるほど、こんな感じだったのかあ~…
 


因みに
この丸子船は、2階から船の帆が広がる様子も目の当たりに出来ます。



2階では、
パネルによる琵琶湖湖上輸送の歴史解説や… 
 


実際に船の中で日常的に使用された様々の道具や、
なんと
この大浦の港の、往時の全景パノラマなジオラマ模型も、展示されていました。

その他にも、
古文書や写真資料、船箪笥等の、多くの貴重な資料の数々が…



なんと古地図まで!
(古地図ファンにとっては貴重?!/ 笑)

 
さて、
そんな展示物の数々の奥に、ひっそりと佇む1枚のドアがあります。

用意されたスリッパに足を通して、
その何の変哲も無いドアを開き、ごく普通の木製の壁の通路を渡ると、
そこには…

まるでタイムカプセルにでも迷い込んだかのように、
古い重厚な天井を見せる日本家屋の中、
懐かしくもレトロな品々が所狭しと並べられた、そんな不思議な世界が広がっていました…!

< 大浦ふるさと資料館 >

ちょっとこれは、圧倒されてしまいます。
まるで、宝箱のようですよね!

さあ、一体なにがあるんでしょう…
気分は、ちょっとした宝探しかもしれません♪(笑)
 


あっ、「まとい」です!
時代劇でよく出てくる火消しの道具
ですよね?


このランプに提灯、電球みたいなのは…夜の漁用?
銀色の筒みたいなのは、何でしょうか。

…誰か、詳しい人と一緒に来れば良かったかもしれません。(笑)
   

その他にも、骨董品のような、わくわくするものがいっぱいありました。

上の写真一番左のは、昔の炬燵なのだそうです。
その横は、炭火アイロン。中に炭を入れて使うのだそうです。
その横は石臼で…右端は、糸車でしょうか。



また、別の部屋には
蓄音機や古いレコードプレーヤー、古いラジオデッキのようなものが、ずらり…!

これは…マニアの方には、垂涎ものかもしれませんね!(笑)
 
手前には、
ちゃぶ台というには立派なつくりの丸テーブルの上に、ぶんぶく茶釜のような鉄釜も見えます。
  

 
白塗りの壁とどっしりとした木の枠に囲まれた階段を下りると、そこには畳に囲まれた
囲炉裏端もありました。
1階では、何部屋もある、広々とした作りの立派な日本家屋を堪能できます。
玄関部分から見上げる吹き抜けの天井には、モダンな照明の向こうに重厚な梁も見えそうです。 


そんな「ふるさと」の懐かしい数々の品をタイムカプセルのように大切に納められた空間から、
現代へと戻り。

再び資料館の正面玄関へと戻ると、そこには地元の特産品コーナーがありました。



そこでふと目に留まったのが、「菅浦・柚子うどん」。
なんだかさっぱりとして美味しそうですね!
冷やしうどんとかにして食べれば、心にも体にも爽やかで良さそうです♪

菅浦というのは、ここ大浦からさらに足を伸ばした湖岸の集落で、
映画のロケ等にも使われている風情豊かな土地なのだそうです。
 


あなたも、ゆく夏を惜しみつつ、この8月最後の週末。

琵琶湖のドライブがてら、
ちょっと足を伸ばして琵琶湖水運の歴史ロマンや、
心懐かしいふるさとの品々が納められたタイムカプセルのような空間に
素敵な夏の終わりを、ちょっぴり浸ってみませんか…?

 


(情報は2009年8月現在。詳しくはお問い合わせ下さい。)


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■名   称  北淡海・丸子船の館
□住   所  伊香郡西浅井町大浦
■開館時間  9:00~17:00(4~10月)
      10:00~16:00(11~3月)
□電話  0749-89-1130
■入館料  高校生以上200円  小中学生150円
□休館日  火曜日・12/27~翌年1/5
■駐車場 有り(無料)
□地図はこちら
■アクセス■
お車の場合
北陸自動車道木之本ICから約10分
電車の場合
JR湖西本線永原駅から徒歩25分

■名   称  大浦ふるさと資料館
□住   所  伊香郡西浅井町大浦(丸子船の館に隣接)
■開館時間  丸子船の館に同じ
■入館料   丸子船の館2Fより無料で入館出来ます。
□休館日   丸子船の館に同じ

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