滋賀は古くからいくつもの街道が通る交通の要衝。
宿場町の伝統を色濃く残すまちも多く、なかでも日本の幹線である「東海道」の
江戸期の風俗を知ることができるのが甲賀市土山町にある
「東海道伝馬館」です。
土山といえばお茶の名産地としても有名ですが、なんとこの暖簾
「土山茶」で染めたものなんだとか。
入館料は無料です。
ここでは実際に地元のお茶を使った「お茶染め体験」をすることもでき、
幅広い年齢層の人が体験に訪れる人気ぶり。
<お茶染め体験>
■料金:ハンカチ700円、バンダナ1000円、Tシャツ2600円~、
テーブルクロス1200円~、のれん1500円~
■人数:5人以上のグループから
■予約:1週間前までに電話かファックスで
もちろんレポーターであるわたくし・ふみさーも、
新スタッフ2人とともに体験してまいりました。
(詳しくは文末に詳しい体験レポートを掲載しています)
同館は江戸後期に建てられた民家をそのまま改装したもの。
建物そのものが土山宿の歴史を語る生き証人なんですね。
母屋の前に再現されているのが、宿場町の総合事務所ともいえる「問屋場」。
人の気配が!? と思ったら宿役人も馬子も人形でした。
当時の道具類なども展示されていて、等身大の人形のおかげで
どんなふうに使われていたものなのかがよくわかります。
こちらは母屋。太い梁をもつ「田の字」造り。広さからも豪農だったことがうかがえます。
この展示館では土山だけでなく東海道全体の往時の風物が見られるのも特長の一つ。
入口のパネルでは東海道の道筋と各宿場がわかりやすく紹介されています。
中央の大型模型では土山宿を再現。まちの歴史を解説するビデオ上映も。
圧巻だったのが2階の展示。
ずらりと並ぶのは広重の『東海道五十三次』を立体再現した
盆景。
こちらが土山宿。奥の浮世絵を見比べてみてください。ほんとスゴイ!
江戸・日本橋から京都・三条大橋まで、その緻密さと完成度の高さに
一つひとつ見入ってしまいます。
そしてもう一つの部屋に展示されていたのが「街道名物」。
宿場の名物でたどる五十三次というわけです。これもまたユニーク!
大津の「走井餅」に、水口の「干瓢」、土山宿はやはり「お茶」に「蟹が坂飴」でした。
残念ながら展示品はすべて模型・・・もちろん土山茶と蟹が坂飴は売店で売られてました。
そして
東海道といえば「やじきた」に「三度笠」でしょう!
2階には旅装束が展示され、なんと着て記念撮影もできるんだとか。
これを体験しない手はありません。さっそくハイ、ポーズ!
紋次郎風にキメてみましたが、旅娘にすればよかったかしら・・・(恥)
隣接する蔵には大名行列のようすが詳しくわかる人形展示があります。
蔵の壁の三方までぐるりと続く行列はなかなかの迫力。
すべて京人形で、加賀藩の資料を参考に、土山宿本陣にゆかりの深い
熊本藩細川家の行列が再現されています。
お役目ごとに衣裳や持ち物が違っていて、それぞれ表情があって物語を感じます。
「お茶染め体験」ができる工房も敷地内に。
なかへ一歩入ると、なんともいえないお茶のいい香りが充満しています。
お茶を煮立てた大なべに、作業机の上にはなぜか
割り箸と輪ゴム、洗濯バサミにビー玉?????
これを使って絞り染めにしていくんだそうで、見本を見せていただきました。
ゴムで縛った見本を染め、ほどいていくと、下のような模様になるそう。
見慣れた日用品と毎日飲んでるお茶で、こんな素敵なハンカチができるんですね~。
お茶の色を布に定着される「色止め」にはアルミ、チタン、鉄などを使うとか。
色止めの作業をくり返すことで、色に変化をつけていくんだそう。
なんだか頭がこんがらがってきましたが、とりあえずやってみましょう!
真っ白の布を前に、スタッフそれぞれが頭をひねって悩むこと10分。
私はビー玉を使ってみることにしました。ゴムで縛った部分が白く残ります。
お茶を煮立てた鍋から茶葉を取り出し、しっかり漉したところへ布を浸します。
お茶で染まったら、よく洗ってチタンで色止め。
チタンから上げてみると、みてくださいこの鮮やかなイエロー!
色止めしたあと、追加して輪ゴムで止めていけば、
輪ゴムのあとに黄色が残るという寸法です。
最後は鉄で色止め。
水で洗い落として、いよいよ輪ゴムを外します。
どんな仕上がりになっているのか、緊張の瞬間!
アイロンをかけて、
完成です!
思い通りに・・・とまではいきませんでしたが、
初めての体験にしては上出来です。みんな大満足!
まあ、リベンジにやってきてリピーターになる・・という人の気持ちもわかりました(笑)
体験自体もとっても楽しいうえに、工房いっぱいに広がお茶の香りに
癒し効果があるのでしょうか? とってもリラックスできました。
お手本に見せていただいたTシャツ。どうやったらこんな模様にできるのか・・・。
売店では暖簾やスカーフなども販売されていて、地域の特産品を買うこともできます。
東海道の歴史と土山茶の香りに触れることができる東海道伝馬館。
ぜひ誘い合って出かけてみてください。
※情報は2009年2月現在。詳しくは直接お問い合わせください。
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東海道伝馬館
★住所 甲賀市土山町北土山1570
★電話 0748-66-2770
★開館 9:00~17:00
★休館 毎週月曜・火曜(祝日の場合は開館)
★HP
http://www.tokaido.or.jp/tenmakan/top.html
★地図
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