天秤棒を担ぎ、全国に販路を広げていった近江商人。
出身地で見ると、八幡、高島、日野、五個荘の4つの地域がよく知られています。
なかでも五個荘は、ほかの3地域のような城下町ではなく
農村から商いを立ち上げたまち。
呉服・太物・麻布などの繊維製品を主に全国へ出店し、
ワコールの塚本家や繊維商社の外与も五個荘商人です。
そんな五個荘の歴史が一覧できるのが
「近江商人博物館」。
映像やジオラマで地域の歴史がわかりやすく紹介され、
近江商人の商法や家訓、その暮らしぶりにまつわる資料を展示しています。
年数回、企画展も開催。
現在の展示テーマは「中江四兄弟と三中井百貨店」(11月26日まで)。
明治・大正・昭和初期、朝鮮半島へとビジネスチャンスを求め
激動の時代を駆け抜けた商人たちの姿を当時の写真と資料で追う企画展です。
ここでは、五個荘のまちに点在する近江商人屋敷の資料や
共通入館券も購入でき、散策の際には最初に立ち寄るのがおすすめ。
博物館はてんびんの里文化学習センターの3F
さあ、ここから五個荘のまちへ、出発です!
豪商へと立身出世しても、故郷を離れず本宅を築いた五個荘商人たち。
彼らの屋敷が数多く残る金堂の界隈は
商業のまちながら、農村の面影を色濃く伝える集落で
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
旧外村宇兵衛邸
明治期には全国の長者番付に名を連ねたという近江を代表する豪商。
その本宅は、隆盛時には2720㎡に蔵が数十棟も立ち並び、
神崎郡随一といわれた庭が広がっていたといわれています。
現在の母屋は1860年築。
屋敷内に水路を引き込み、洗い場にした「川戸(かわと)」も残っています。
旧中江準五郎邸
朝鮮半島や中国で、三中井百貨店を築いた中江家四兄弟の末弟・準五郎本宅。
蔵のなかには、五個荘が生んだ郷土玩具「小幡人形」と
全国の土人形が展示紹介されています。
旧外村繁邸
「草筏」「筏」など、近江商人を題材にした小説で知られる作家・外村繁。
彼は1902年にこの家の三男として生まれ、一時家業を継いでいたんだとか。
蔵には文学館も作られ、貴重な資料が展示されています。
台所や家財なども多く残され、近江商人たちの暮らしぶりが息づく記念館です。
また、これからの季節は
最寄の紅葉スポットとして、
「紅葉公園」もおすすめです。
■近江商人博物館
<入館料>大人200円 子供100円
■近江商人屋敷(旧外村繁邸・旧外村宇兵衛邸・旧中江準五郎邸)
<3館共通入館券>大人500円 子供250円
■旧藤井彦四郎邸
<入館料>大人300円 子供100円
■全館共通入館券
<入館料>大人800円 子供360円
※情報は2006年10月現在。詳しくはお問い合わせください。
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近江商人博物館
★住所 東近江市五個荘竜田町583 てんびんの里文化学習センター3F
★電話 0748-48-7100
★開館 9:30~17:00(入館は16:30まで)
★休館 月曜・祝日の翌日
★HP
http://www.biwa.ne.jp/~tenbinst/museum/index.html
★地図
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