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しがまにあ

2010年06月03日

義仲寺

大津は大津京をはじめ、城跡、社寺仏閣など
さまざまな時代の史跡・遺構が残るまちですが、
なかでも源平の合戦と、江戸の文学、この二つの時代を結ぶのが
国指定の史跡である膳所の「義仲寺(ぎちゅうじ)」。

義仲寺

木曽義仲(よしなか)と松尾芭蕉の墓所があることで
全国に知られ、各地から訪ねる人も多いお寺です。

義仲寺義仲寺

場所は西武ショッピングセンターやパルコなど、大型施設が立ち並び
大津でもひときわにぎやかなあたり。


いまは車の往来もはげしいまちなかですが
昭和のはじめごろまで、寺の山門の前を通る旧東海道のすぐそばまで
琵琶湖の波うちぎわが来ていました。


往時を思いうかべてみれば、義仲公も芭蕉翁も
みずうみを望む景勝地で長の眠りについたわけです。




他府県からの観光客が数多く訪れる一方、「よく通り掛かるけれど…」
と言いつつ、足を踏み入れたことのない地元の人も結構いるよう。
それは本当にもったいない!

義仲寺

山門をくぐると、まちの喧騒が嘘のような侘びた空間が広がります。


義仲寺義仲寺

「行春をあふミの人とおしみける」

入ったところには芭蕉が近江の地を呼んだ句があります。
そばには名の由来となった芭蕉の木が植えられていました。


本堂に当たる「朝日堂」には木彫聖観世音菩薩が鎮座し、
義仲、その側近である今井兼平、そして芭蕉の位牌などが納められています。

義仲寺義仲寺

この朝日とは、義仲が「朝日将軍」と呼ばれたことにちなむもの。

義仲といえば、治承4年(1180年)、信濃にて平氏討伐の挙兵、京に上った源氏の武将。
鎌倉幕府をひらいた源頼朝より先に「征夷大将軍」に任ぜられましたが、
頼朝の命を受けた範頼、義経の軍勢に追われて
「粟津」の浜で非業の最期を遂げています。

義仲寺

その墓があるのが義仲寺。


義仲の討ち死にから時を経て、いつしか墓所のそばに草庵を結び
日々供養する見目麗しい尼僧の姿が。

名こそ名乗りませんが、これこそ義仲の側室で共に戦場に立ったと伝わる巴御前。


尼僧の没後、庵は「無名庵」と呼ばれ、巴寺、木曽塚、木曽寺としても親しまれていました。

義仲寺義仲寺

その巴御前の墓「巴塚」は義仲の墓のそばにひっそり寄り添っています。



寺はその後、荒廃していましたが、戦国のころ「近江源氏」である
国守・佐々木氏によって再建されています。


江戸期に入ると大修理も行われ、そのころ来訪し宿舎としたのが俳人・松尾芭蕉。

義仲寺
写真は芭蕉の墓所。

元禄7年(1694年)、旅の途中である大阪で逝去した芭蕉は
「骸は木曽塚に送るべし」と遺言し、この地に埋葬されたのでした。


芭蕉も、そして義仲を思い続けた巴御前も
澄みわたる琵琶湖の向こうに、浄土を思い、この地を最期に選んだのでしょうか。




江戸中期に入り、明和2年(1769年)、自らも俳人である蝶夢法師によって中興され
そのとき再興されたのが「翁堂」。

義仲寺

たびたびの火災や洪水に遭いますが、時代ごとに改修・復元され
侘びた風情は、境内にひときわ静ひつな趣を与えています。


翁堂には芭蕉翁座像などが安置されているほか、
地元の人にも意外と知られていないのが、天井画。

義仲寺義仲寺

これは伊藤若冲の筆による『花卉図』。
現在は保存のため精密複製が掲げられていますが
芭蕉を慕う人々の想いが、この庵に寄せられているといえるでしょう。



境内には「史料観」もあり、貴重な資料や義仲や芭蕉の絵姿が展示されています。

義仲寺義仲寺

なかでも必見は芭蕉が使ったといわれる椿の杖。

義仲寺義仲寺

『奥の細道』も、この杖と共ににたどったのでしょうか。


庭には歌碑がいくつも並び
季節ごとの花々が咲いて、侘びた趣がしつらえられています。

義仲寺義仲寺義仲寺

これは、芭蕉を慕ってここで句作する人々が多いため。


無名庵と名付けられた建家は、俳句の会などにお借りすることもできるそうです。

義仲寺義仲寺



庭にも床几が置かれ、芭蕉と向き合いながら句作する人も。

義仲寺


また、池には小さなカメたちも暮らしていて、まちなかに居ながら山里の風情。
お子さんを連れたお父さんたちが、カメを楽しみに訪れることもあるそう。

義仲寺義仲寺


寺務所では、義仲公、巴御前、芭蕉にちなんだお守りもあり、
とくに巴御前の守りは長寿、芭蕉は学業や俳句上達に、と買い求める人が多いとか。

義仲寺義仲寺

ほかにも芭蕉の筆を写した軸や、史料、書籍も置かれています。


義仲寺

こちらは義仲寺の古図。
やはり、みずうみの波うちぎわが山門のすぐそばに描かれていますね。



琵琶湖のさざなみを見ながら、義仲は無念を、巴御前は恋しい人を、
そして芭蕉は彼らの時代を思ったのでしょうか。

想像がかき立てられます。



源平も江戸の時代も、そして琵琶湖の岸も、いまは遠くなりましたが
それぞれに思いを馳せに出かけてみるのも一興です。


義仲寺義仲寺


<拝観料>200円








※情報は2010年6月現在。詳しくは直接お問い合わせください。




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義仲寺

★住所  大津市馬場1丁目5-12
★電話  077‐523‐2811
★開館  9:00~17:00(11月~2月は16:00まで)
★休館  月曜(祝日、振替休日の場合は平常通り)
★地図  地図はこちら



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Posted by しがまにあスタッフ at 20:00 │大津・膳所

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